施設害虫に対する生物農薬の利用

生物農薬は狭い意味では、寄生性昆虫、捕食性昆虫、捕食性ダニ類、病原微生物(昆虫ウイルス、バクテリア、糸状菌、原虫、線虫)とその生成物を大量に生産して農薬的に使うものである。また、昆虫の生産する性フェロモン、集合フェロモン、カイロモン(昆虫の行動に影響を与える他の種類の生物が生産する化学物質の総称)なども広く見れば生物農薬と言える。現在の農薬登録数を第1表に示した。また微生物農薬を第2表に示した。ここでは狭義の生物農薬について解説する。現在登録され市販されているものはハウスなどの施設内に栽培されている作物に発生する害虫を対象としている。一般圃場ではカミキリムシ類を対象とした寄生菌製剤、広く鱗翅目害虫を対象としたバクテリア製剤が市販されている。登録済みの全生物農薬を示す。

害虫の種類   生物農薬          作物名            

アブラムシ類 アフィデント イチゴ、キュウリ、メロン、スイカ
アフィパ−ル イチゴ、キュウリ、ナス、ピ−マン、メロン、スイカ
ヒゲナガアブラムシ エルビパ−ル トマト
アザミウマ類 スリポ−ル ナス、ビ−マン、キュウリ
ククメリス ナス、キュウリ、ぴ−万、メロン、イチゴ、トマト
デジェネランス
マメハモグリバエ マイネックス トマト、シュンギク、ナス
ハダニ類 スパイデックス イチゴ、キュウリ、スイカ、オオバ、ピ−マン、ナス、ブドウ
コナダ二類 エントマイト ホウレンソウ
コナジラミ類 エンストリップ トマト、キュウリ、ナス、メロン
エルカ−ル ナス、トマト、キュウリ
カミキリムシ類 バイオリサ カミキリン