7.カミキリムシ類
バイオリサ   ボ−ベリア菌(Bauveria brongnniatii)  製品のビデオ画像はこちら         

 ボ−ベリア菌の特徴  クワの害虫であるキボシカミキリあるいはカンキツの害虫であるゴマだらカミキリを防除するために選抜された糸状菌である。感染して死亡したカミキリムシは体表に分生胞子を形成し、それが次の感染源になることも大きな特徴である。

使用方法
1)カミキリムシ類の天敵糸状菌であるBeauveria brongniartiiの生菌を用いたシ−ト上の製剤である。この製剤のポイントは、カミキリムシ成虫が樹木を上下する修正を利用して、株元や枝の分岐部にシ−トを設置することである。
2)製剤の使用量は植栽本数によって決まる。1樹1シ−トが原則である。使用上の注意1)5℃で保存すれば生菌数の減少はほとんどないので低温保存を行う。
2)長期間効果を維持するためには確実に枝や幹に固定することが大切である。

効果の判定
 成虫を病死させる方法なので、直接被害の減少と結びつけて判定するには時間がかかる。処理園におけるカミキリムシの採集、飼育によって病死虫率を求め感染率を推定する方法が最も容易な方法である。

その他果樹害虫の生物農薬
 
 果樹栽培を例にして広い意味での生物農薬について今後の方向を考える。果樹では生物農薬の対象とすべき害虫は次のようなカテゴリ−に分けて考える。
1)現在、防除を殺虫剤、殺ダニ剤に依存している害虫。
2)防除手段が少ない難防除害虫。
3) 天敵に密度制御を依存している害虫で、潜在的害虫の一部分。 

果樹栽培で重要な事は花粉を虫又は風によって花に運び果実を実らせることである。化学農薬をこの時期に使うと、媒介昆虫であるミツバチやアブの類が果樹園で活動出来なくなる。カンキツの場合にはこの様な問題はないが、リンゴ、ナシ栽培ではそのために人工受粉という手間のかかる仕事が必要となり、コストの上昇をもたらしている。従って媒介昆虫に影響のない殺虫剤が要請され、その目的にかなったものとして出現したのが鱗翅目に効果の高いバクテリア製剤である。