スパイデックス(Phytoseiulus persimilis) チリカブリダニ

製品の姿

チリカブリダニ雌成虫

チリカブリダニ(プレパラ−ト)

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スパイッデクス・トモノカブリダニPP  チリカブリダニ(Phytoseiulus persimilis) 
チリカブリダニ雌成虫は体長約0.45mm、雄成虫は約0.35mmの赤橙色で活動性に富む。卵は乳白色の楕円形で長径約0.12mmである。発育ステージは卵、幼虫、若虫、成虫で性比は約4:1(雌:雄)である。 捕食活動の最適温度は20〜25℃で発育零点、産卵低温限界温度は10〜12℃であり最高限界温度は約30℃ある。湿度は多湿を好み50%以下では悪影響がある。発育速度は25℃で約7日、雌成虫の寿命は約30日である。移動は水平方向に数mである。 1日の餌ハダニ捕食数は若虫はハダニ若虫を5頭、成虫はハダニ成虫を5頭あるいは幼虫を20頭または卵を20頭程度である。 雌成虫の総産卵数は約60卵で1日当り最大約3個の卵を産下する。 原産地は南米チリや地中海沿岸諸国とされている。

使用方法:
1)チリカブリダニ製剤は、水分を含んだ細かいバーミキュライトのキヤリアーを入れた500mlのポリエチレンボトルに約2000頭が入っている.生存日数が短いので、入手後直ちに使用する。
2)容器中でチリカブリダニが遍在していることがあるので、容器を横にしてゆっくり回転させて均一に混在させてのち10a当り500ml(チリカブリダニとして約2000頭)を葉の上に容器から少量ずつ振りかける。
3)ハダニ類の発生初期で、チリカブリダニ1頭に対してハダニ類が60頭以下の時期に放飼し、1〜2週間後に追加して圃場全面に放飼することが望ましい。       

使用上の注意                    
1)チリカブリダニ導入には20〜25℃が最適な温度条件である。
2)チリカブリダニの活動に影響を及ぼす恐れがあるので、放飼前後の薬剤散布は避ける。
3)ダニ返しなどの機械的防除法を実施し温室にハダニ類の進入を防止する。
4)施設内外の雑草を除去しハダニ類の繁殖を防止する。
5)下葉かきなどの作業を実施し温室外に出し、廃棄処置を完全にする。

防除効果の判断 
 チリカブリダニによる防除効果の発現は導入後約3週間前後と非常に遅効的であり、定着すれば数カ月以上長期にハダニを抑制することができる.

チリカブリダニによるカンザワハダニの生物的防除効果に及ぼす温度の影響 真梶 徳純、森 樊須 果樹試験場報告(E) 1976
チリカブリダニに対する農薬の影響 真梶 徳純 果樹試験場報告(E) 1976
チリカブリダニの捕食量と産卵数について 芦原 亘、真梶 徳純、浜村 徹三 果樹試験場報告(E) 1976
チリカブリダニの越冬 浜村 徹三、真梶 徳純、芦原 亘 果樹試験場報告(E) 1976
チリカブリダニの発育期間と温度との関係ならびに産卵数(英文) 浜村 徹三、真梶 徳純、芦原 亘 果樹試験場報告(E) 1976
チリカブリダニに対する農薬の影響 真梶 徳純、足立 年一 果樹試験場報告(E) 1978
チリカブリダニの食性 芦原 亘、浜村 徹三、真梶 徳純 果樹試験場報告(E) 1978
チリカブリダニの低温貯蔵 浜村 徹三、真梶 徳純、芦原 亘 果樹試験場報告(E) 1978
チリカブリダニが生物的防除効果を発揮する高温側の限界温度 真梶 徳純、浜村 徹三、芦原 亘 果樹試験場報告(E) 1978
チリカブリダニの園芸作物上における分散 浜村 徹三、真梶 徳純、芦原 亘、井上 晃一 果樹試験場報告(E) 1980
チリカブリダニを利用したハウススイカのハダニ防除 矢野 貞彦・東 勝千代 和歌山県農業試験場研究報告 1983
チリカブリダニの増殖法 Ⅰ.餌ハダニの増殖用植物と餌ハダニの種類の検討 芦原 亘、井上 晃一、刑部 勝 果樹試験場報告(E) 1986
チリカブリダニの増殖法 第2報 飼育密度の検討 刑部 勝、芦原 亘、井上 晃一 果樹試験場報告(E) 1988
チリカブリダニの発育と産卵に及ぼす数種農薬の影響 芦原 亘、井上 晃一、刑部 勝 果樹試験場報告(E) 1988
促成栽培イチゴにおける害虫管理III チリカブリダニによるハダニの防除 根本 久 関東東山病害虫研究会年報 1992
薬剤抵抗性チリカブリダニ(DAS系統)利用による施設野菜ハダニ類の生物的防除に関する研究 中尾 弘志 北海道立農業試験場報告 1992
ガラス室ブドウのカンザワハダニに対するチリカブリダニの放飼効果 芦原 亘、井上 晃一、刑部 正博、浜村 徹三 果樹試験場報告(A) 1992
施設栽培のオオバにおけるチリカブリダニによるカンザワハダニの防除 田中 寛、上田 昌弘、溝淵 直樹、柴尾 学 関西病虫害研究会報 1993
チリカブリダニに対する農薬の影響 −特別連絡試験成績検討会から− 浜村 徹三 農薬ガイド 1994
オレイン酸ナトリウム液剤のナミハダニに対する防除効果および捕食性天敵チリカブリダニに対する影響 松田 径央、宮田 哲至、村井 啓三郎、安富 範雄、後藤武司、高木 康至 関西病虫害研究会報 1994
チリカブリダニの使い方 足立 年一 農薬ガイド 1995
イチゴのカンザワハダニに対するチリカブリダニによる防除効果と両種に対するくん煙剤の影響 柴尾 学、根来 実、田中 寛 関西病虫害研究会報 1995
チリカブリダニによるハウス栽培作物のハダニの生物的防除のシミュレーション 1.モデルの適合性と必須データ 斎藤 裕、浦野 知、中尾弘志、網本邦広、森 樊須 日本応用動物昆虫学会誌 1996
チリカブリダニによるハウス栽培作物のハダニの生物的防除のシミュレーション 1.実用化をサポートするモデル 斎藤 裕、浦野 知、中尾弘志、網本邦広、森 樊須 日本応用動物昆虫学会誌 1996
施設栽培イチゴにおけるチリカブリダニの利用 体系防除連絡試験より 浜村徹三 農薬ガイド 1997
施設栽培イチゴにおけるチリカブリダニの利用法 浜村徹三 植物防疫 1997