オドリハマキは目玉も動く−翅で睨みを利かせる蛾−

  翅に眼状紋を持つ昆虫は多いが、その目が開閉する機能まで持つものは珍しい。
ゴボウの害虫の一種で葉に小さく窓のような被害痕を作る蛾がいる。成虫の動きは蛾の類に似合わず敏捷で、小さいこともあって容易に人目に付かない。よく見るとクモ類のように飛び跳ねる行動が主で、ウンカ・ヨコバイのように横這い・後ずさりをするなどいろいろな虫の動きを取り入れている。この成虫をよく観察していると、静止していても時々体を伸縮させる。その結果、この虫の前翅にある2対の白色眼状紋に微妙な動きを与え、ちょうど白い目を閉じたり開いたりするような効果が見られる。この効果は眼状紋を形成する鱗片が翅の動きによって角度が変わり、光の反射が変わるために起きるようである。