リンゴにおける現状はシンクイムシ防除とその結果多発するハダニ類の防除のため薬剤散布が体系化されている。周辺植生は殆ど除去され、落果防止のための防風ネットが設置されている。天敵の越冬場所や薬剤散布時の退避場所が不足している。鱗翅目害虫の防除のため性フェロモン利用が進んできたが、ハダニ類を抑制できるような在来天敵の活用には至らないと思われる。落葉果樹の場合、果樹園の集団化はそれほど顕著ではなく防風樹、各種果樹のモザイク配置などの条件があるため在来天敵の利用には希望が持てる。シンクイムシ類の防除は薬剤を用い(性フェロモンに代わり得る)、アブラムシ・ハダニ・カイガラムシは天敵の利用によって被害を回避する。周辺植物は常緑の針葉樹や場合によってはチャ・サザンカ・アオキなどの灌木を用いる。 |