ハモグリバエの成虫の食事


ハモグリバエはどこにでもいる小さなハエの仲間である。植物の葉に産卵して、幼虫が葉の組織をトンネルを掘るように食べ進むので、ミミズが這ったような跡ができる。小型のガの類(ハモグリガ、ホソガ)にもこのような生態の虫が多いのでちょっと区別が難しい。分類上は植物の種類に負けないぐらいいろいろの植物に適応した種類がいるので、花や野菜を作る人たちにとってはやっかいな虫とされている。最近外国から侵入して話題になっているマメハモグリバエもこの仲間である。このハエの成虫には奇妙な習性がある。通常昆虫が餌をとるためには口器で囓ったり、口針を刺して液を吸ったりする。この虫の成虫は産卵管を使って葉の表面に穴をあけ、そこからさらに葉の組織を産卵管を伸ばして破壊する。そして穴からあふれ出た汁液を舐め取るのが一連の摂食行動である。そこで疑問が残る。雌はそれでよいが産卵管を持たない雄はいったいどうして餌にありつくのだろうか。答は簡単である。このハエの雄は雌の後ろにしつこくつきまとい、餌のおこぼれに預かると同時に交尾もするという特清を発達させている。雌が性フェロモンを出しているかどうかは不明である。