シロオビタマゴバチの交尾行動 

交尾行動



 シロオビタマゴバチはヤママユガやオビカレハなどの大型の蛾類の卵に寄生する卵寄生蜂です。卵の中で越冬して寄主幼虫のふ化時期に羽化します。雄が先に羽化して雌の羽化を待ちます。
 この蜂の交尾行動は人間が見ていて納得できる興味あるものです。最初雄は雌の前方から近づいて短い触角を震わせるようにして雌の長い触角に接触させます。何回かのくり返しの後雌は腹端を高く上げ交尾の許可シグナルを送ります。この蜂の場合陰門のある第6節は腹部の中央にありますから雄は雌の尾端にぶら下がるようにして交尾を済ませます。その後雌の背中に乗り、交尾後のマウント行動を行いますがその意味はよくわかりません。
 寄主のふ化と同時に現れたこの蜂は別の種類の蛾類の卵を探して産卵するものと思われますが、越冬するときには決まって大型の蛾類の卵に寄生するのはきっと卵の殻が固くて生存率が高いからなのでしょう。


交尾中のシロオビタマゴバチ