卵を見れば加害者が割り出せる   ハダニ卵の天敵による食害 



ハダニは成虫の体長が0.7-0.9mmの小さな害虫です。この虫の卵は直径が0.2mm程度のさらに小さなものですから、ほとんど肉眼では見ることが出来ません。どんなに小さくても動物の卵は栄養価が高いらしく、捕食虫にとっては絶好の餌となります。ハダニの卵を餌とする虫は小型のテントウムシ類、ハネカクシ類、アザミウマ類、カブリダニ類、ナガヒシダニ類、ダマバエ類など多様である。ここに示した走査電子顕微鏡の写真はミカンハダニ、リンゴハダニ等の固い殻を持つハダニ卵が捕食されたときどんな状況になるかをいくつか示したものです。正常に孵化した卵は球状の北半球に当たる部分が切り取られた型を示します。ナシやの葉を秋に採集して、孵化しなかったハダニの卵を調査すれば、その年にどんな種類の天敵が活動したのか、おおよその見当を付けることが出来るのです。


                     ハダニアザミウマニの捕食痕                       ハネカクシ類の捕食痕

ハダニアザミウマ   ケシハネカクシ幼虫