シュノ−ケルを持つ寄生蜂 トビコバチ類の卵柄
カタカイガラムシ類に寄生する寄生蜂の中には寄主に産卵する際、卵や幼虫の呼吸を助けるために特別の構造を持つ卵を産みつけることが知られている。
このトビコバチ(Metaphychus spp.)の卵には長い卵柄があり、寄主の体表に突出している。この卵柄から取り入れられた空気は内部に寄生する卵に酸素を供給する。幼虫は孵化した後ときどき呼吸のため卵柄の基部に移動すると言われている。また、この卵柄は一度寄生された寄主に再度寄生蜂が探索行動を行う際、物理的な概寄生認識物体(Post
ovipositional marker)として利用されている。
ミカンワタカイガラムシの幼虫に生み込まれた2種のトビコバチの卵柄