18.風呂に入れない昆虫の清潔を保つための工夫    

クリ−ニング



一部の昆虫が体表に付着するゴミや菌の胞子を取り除くために、絶えず体表をクリ−ニングすることは良く知られています。代表的なものがイエバエなどで、俳句にも読まれているほどです。
 昆虫寄生性の蜂類もクリ−ニングにかけて他の昆虫に劣らず熱心です。クリ−ニングの範囲も翅、脚、頭部等あらゆる部分に及び、脚の刺毛の大部分は他の体表の細かい溝や毛を清掃するににぴったり合致するようになっています。
 ここに出場するマルハラコバチはチュウゴクオナガコバチの2次寄生蜂ですが後ろ脚で"ウルトラC"の演技を見せてくれます。クリ−ニングを怠れば昆虫寄生菌の胞子が付着し、致命傷となるのです。
 よく寄生菌の犠牲になるカイガラムシ類、ケムシ類はクリ−ニングがほとんど出来ません。しかし、ハエやヨコバイなどクリ−ニングに熱心な昆虫も寄生菌に犯されたものをよく見かけます。疫病菌のように粘着力の強い胞子にはかなわないようです。水生昆虫のミズカマキリなどもクリ−ニング上手であることは一寸観察していればすぐにわかります。


ウルトラCの演技をするマルハラコバチ