100.天敵を育てる落とし穴
バンカープラントは露地野菜や果樹園だけでなく、施設における生物農薬の効率的利用の一手段として注目されている。バンカープラントには作物の主要害虫となる昆虫が棲息しないこと、餌となる昆虫が一定量は増殖維持できることが第一である。その他に忘れてならないのは利用しようとする天敵の高次天敵の存在である。通常2次寄生蜂や捕食虫の高次天敵は目立たないが、天敵を大量飼育することになるとすぐに増加して抑制要因となる。それらのものを例示してみると第1表のようになる。これらの高次天敵を除去することによって利用天敵の密度を維持することが容易になる。除去の手段としては薬剤の利用がもっとも簡便であるというのは皮肉なことであろう。