46.産卵にじゃまな翅は畳んで行う アブラヤドリコバチの華麗な攻撃
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Aphelinus mali
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Aphelinus .gossypii
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アブラムシの寄生蜂として1番よく知られているのはアブラバチ(コマユバチ科)です。産卵の際細長い腹部を両脚の間から前方に突出させ、巧みにアブラムシに産卵します。この行動は比較的ゆっくりおこなわれるので、多くの写真に撮られております。
一方アブラムシの種類や時期によっては寄生率がさらに高いアブラヤドリコバチ(ツヤコバチ科)も主要な天敵です。リンゴのに寄生するワタムシヤドリコバチ(Aphelinus
mali)は1930年代にアメリカから導入された天敵として有名です。また、ワタアブラムシ等に寄生するAphelinus
gossypiや、モモコフキアブラムシに寄生するAphelinus sp.等も同様に重要な天敵です。
小型で行動が素早いため、産卵行動を観察する機会はほとんどありません。この蜂は寄主に遭遇すると触角で数回ふれた後、反転して尾部から寄主に接近します。次に背部に重ねられた前翅の先端を産卵管鞘の変形した部分を使って上方に折り曲げ、同時に腹部に格納されていた産卵管を腹部腹板と共にのばします。その長さは体長の1/2ほどにもなるほど長く、的確に寄主を刺します。狙いが外れることもありますが、すぐに次の攻撃を繰り返します。
翅の先端が180度折り曲げられるメカニズム、瞬間的に産卵管がアブラムシの体内に突き刺るのは、何回見ても見事です。複数の蜂によるすさまじい攻撃を見てください。毒液による麻酔後、寄主吸汁(Host
feeding)や時間をかけた本当の産卵が行われるのです。
アブラヤドリコバチ雌成虫 モモコフキアブラムシ幼虫を攻撃するA.gossypi
リンゴワタアブラムシを攻撃するA.mali