チャバネアオカメムシの産卵−14卵を固めて産むメリット


チャバネアオカメムシは必ず一度に14個の卵を1カ所にまとめて産卵する。産卵はほとんど時間に関係なく行われ、羽化後50日頃まで平均一日当たり8卵程度を産み続ける。卵は膣の中で受精された後、卵が粘膜で覆われたまま産み落とされる。産卵時には卵端を陰門に付けたまま2−3秒静止し、粘着物質の固化を待つ。その後後脚の左右いづれかで卵の上面を押さえながら陰門から卵を離し、肛門から共生微生物の固まりを卵面に排泄する。次いで体を左または右に移し、1−2分後に次の産卵をする。まとめて産み落とされる1番のメリットはふ化を同時に行うことである。1個の卵でふ化が始まるとその震動が各卵に伝わり、一斉にふ化が始まる。カメムシの1令幼虫は共生菌を取り込む際、水分のロスを防ぐため集合行動をとる。個々にふ化させると共生菌のとり込みがうまく行かない。