ククメリス(Amblyseius cucumeris) ククメリスカブリダニ

カブリダニの分類は顕微鏡標本を作って調査する。


ククメリスカブリダニの特徴 
ククメリスカブリダニ雌成虫の体長は約0.3mm、ベッコウ色を呈し、短めの脚で低い姿勢をり多くの短毛を有します。卵は真裏の主脈と側脈の毛上に産み付けられ、形は卵形で、大きさは直径絢0.14mmです.幼虫は若虫や成虫と違って3対の脚を持っており、何も食べずふ化した場所の近くに群がっています。第1若虫、第2若虫、成虫には4対の脚があり、前脚を触手のように使い捕食します。ククメリスカブリダニの捕食対象は主としてアザミウマ類の幼虫、ハダニ類の卵等が知られています。 1)ククメリスカブリダニは、25℃で6〜9日で卵から成虫に成長し、成虫は約20日間の生存期間に1日当り約6頭を捕食し、生存期間中、約50個の卵を生み増殖します。捕食活性は15℃から30℃で活発に見られ、温度が高い方がより活発に捕食します。 ただし、35℃以上になると、行動が鈍くなり、捕食能力も低下します。
使用方法:
1)ククメリス製剤は、500mlのプラスチックボトル中に、50,000頭以上のククメリスカブリダニの成虫、幼虫を含み、その他成分としてカブリダニの餌であるケナガコナダニ(約10〜50万頭)が、約100gのふすまの中に混在しています.
2)キャップの内蓋を外して軽く1振りすると、約100頭のククメリスが得られます。 ククメリス製剤の利用にあたって、作物の定植後できる限り速やかに放飼して、作物にククメリスカブリダニを定著させることがアザミウマ防除に成功する重要なポイントです。例えば、定植後に作物の抹元へ放飼する方法は、アザミウマの飛来前にククメリスカブリダニを定着させる有効な方法の1つです。
3)まず、容器をゆっくり回転させ、中のククメリスカブリダニを均一にします。キャップの内蓋を外して軽く1振りすると、約100頭のククメリスが得られますので1株に1振り(約100頭)ずつ、株元に放飼してください。株元に潅水されるような栽培条件の場合には、下位の葉上に放飼してください。4)発生初期の定着を確実なものにするために、7日おき3回の放飼を行って下さい。
使用上の注意
1)容器内でのククメリスカブリダニの生存日数は短い場合もあるので、入手後速やかに使用し、使いきる。
2)ミナミキイロアザミウマおよびミカンキイロアザミウマの密度が高まってからの放飼は十分な効果が得られないので、発生初期に最初の放飼をする。
3)本剤の放飼前後における薬剤散布は、天敵の活動に影響を及ぼす恐れがあるので、放飼前後の薬剤散布は避ける。
4)施設周辺の雑草等がアザミウマ類の発生源となるので除草を徹底します.5)野外から侵入するアザミウマ類を防ぐために出入口は、2重、側窓に防虫ネット(1mm目)を張る。
防除効果の判断 
アザミウマ類の被害許容密度は極めて低いのでアサミウマの密度で判定するのは困難です。、被害葉や被害痕が全面に広がらないことで効果があったと判定します。