アフィデント(Aphidoletes aphidimyza) ショクガタマバエ
ショクガタマバエは双効目タマバエ科に属し、日本を含み広く北半球に分布するアブラムシ防除の有力な捕食性天敵である.1978年フィンランドで最初に市販されたが、1980年代後半のオランダでの突発的なツタアブラムシの増加に対応して、1989年市販を開始した。日本では平成4年からきゅうりでの試験を開始し、平成10年に農薬登録された。今後の適用作物は、いちご、なす、メロン、すいか等となる。 日本での分布は九州から北海道まで、1属1種の捕食性昆虫です.成虫の体長は2.5−3.0mm。脚は細く長い.雄の触角は長く、雌は短い。交尾後雌成虫はアブラムシやその甘露に誘引されて産卵します.卵は0.1〜0.3mmで赤褐色の楕円形、ふ化幼虫がアブラムシ幼虫や成虫を捕食します。老熟幼虫は土壌中で繭を作り蛹化します. 21℃の生育日数は成虫10日、卵3日、幼虫10日、蛹14日で性比は雌1.7:雄1.0である。発育零点は卵10.5℃,幼虫8.1℃、蛹9.2℃である。モモアカアブラムシ等を含む約60種のアブラムシを捕食します。1雌の総産卵数は約250卵で、1頭当り70頭のアブラムシを捕食します。
使用方法:
1)500mlのポリエチレンビンに1000頭の繭と緩衝材のバーミキュライトとキャップの中に羽化したショクガタマバエ成虫の餌としてハチミツを含んだパットがある。
2)放飼時期はアブラムシ発生初期段階のコロ−ニ−が形成されつつある時期が望ましい。
3)放飼に当たっては容器中でショクガタマバエが偏在していることがあるので、容器を横にしてゆっくり回転させて均一に混在させたのち、10アール当り2ボトルを施設内の20ヶ所程度に分けて放飼します.実際の手順はアブラムシ発生株の株元に2キャップづづ処理し、成虫の羽化と交尾を高めるため素焼き鉢(穴開き)等を被せる.放飼は7日毎に3回程度繰返します。ショクガタマバエの生存日数は短いので、入手後直ちに使いきる。
使用上の注意
1)日中の施設内の平均室温が21℃を下回らないように注意すること。
2)ショクガタマバエの活動に影響を及ぽす恐れがあるので、本剤の放飼前後の薬剤散布は避けること。
3)アフイパール(コレマンアブラバチ)と併用するとより高い防除効果が得られます.
4)施設周辺の雑草等がアブラムシやウイルスの発生源となるので除草を徹底します.
5)野外から侵入する有翅アブラムシを防ぐために出入口、側窓や出来れば天窓にも防虫ネット(1mm程度)を張る。
防除効果の判断
放飼2週間後くらいで葉裏にショクガタマバエ幼虫と捕食されたアブラムシの残骸が確認されます.。