施設内試験

 室内試験で何らかの影響があるとされた薬剤について、散布後の残留毒性期間を知るために天敵の成虫に対する影響評価が求められる。寄生性天敵、カブリダニなど生物農薬で実施された例が多いが、寄主の死亡率や寄主密度の減少など、間接的なデ-タで評価する場合が多い。大量飼育法の確立していない在来天敵では供死虫の入手が難しいので実施困難な場合が多い。 ここではパイプハウス栽培のイチゴでオンシツコナジラミとオンシツツヤコバチの動向を評価する手法として3種類のモニタ−を検討した例を示す

1.イチゴハウスのオンシツコナジラミとオンシツツヤコバチ

作物:  イチゴ(ハウス)

対象害虫:オンシツコナジラミ

対象天敵:オンシツツヤコバチを主とした寄生性天敵

試験区: ビニ−ルハウス(100m2)無加温。ハウス中央を防虫網(0.6mm目)で区切って薬剤処理区と無処理区とする。それぞれの区に第1図に示したようにトラップを配置した。

コナジラミの放飼(接種):1月22日から第Ⅰ表のように放飼した。

オンシツツヤコバチの放飼:3月19日、4月8日にそれぞれ各列10シ−ト、合計40シ−トを放飼した。
試験区の防虫網による仕切:5月6日0.6mm目のサランネットでハウスの中央部を完全に遮断した。

薬剤処理:5月7日処理区にミクロでナポン水和剤

1000倍を所定量ていねいに散布した。