キャベツ圃場における土着天敵(寄生蜂)に対する殺虫剤の影響評価
キャベツ圃場での主要害虫・天敵は次に示すような構成であった。アブラムシ類の薬剤による防除は現地圃場では除外することができないと思われる。従ってそのために使用する薬剤が鱗翅目害虫の顕在化の原因とならないようにすることが重要である。この調査では鱗翅目害虫に関係するキイロタマゴバチ及サムライコマユバチを考察の対象とした。
主要害虫
主要害虫の天敵
ハスモンヨトウ、ヤガ類
病原微生物、寄生バエ
アオムシ
アオムシサムライコマユバチ
コナガ
キイロタマゴバチヒメコバチ、コナガサムライコマユバチ、クモ
マイナ−害虫
マイナ−害虫の天敵
アブラムシ類
アブラバチ、アブラヤドリコバチヒラタアブ、ショクガタマバエナナホシテントウ、クサカゲロウ
試験1
試験圃場:6月中旬に定植した圃場(2a)の中央部に0.6mm目の
スクリーンを高さ1.5mまで張り
、薬剤処理区と薬剤無処理区とした。さらにそれぞれの中央に
吸引粘着トラップを配置し
、天敵のモニタリングを行った。
薬剤処理:土着天敵の増加を待って7月22日アファ−ム2000倍散布を行い、無処理区との比較で薬剤の影響評価の可能性を調査した。
調査方法:6月24日から試験区による天敵の発生に差がないことを確認するため、吸引粘着トラップで7日毎のモニタリングを継続した。薬剤散布後は24時間毎に天敵の活動状況を14日間モニターした。害虫の発生調査は全株の見取り調査で、天敵の調査と同時にアオムシ、コナガ、アブラムシについて行った。
試験2
試験圃場:9月中旬に定植した圃場(2a)に試験1と同様に吸引粘着トラップを2台配置し、薬剤処理区と薬剤無処理区とした。
薬剤処理:害虫発生初期の10月26日にアファ−ム2000倍散布を行い無処理区との比較で薬剤の影響評価の可能性を調査した。
調査方法:9月21日から試験区による天敵の発生に差がないことを確認するため吸引粘着トラップで7日毎のモニタリングを継続した。薬剤散布後は7日毎に天敵の活動状況をモニターした。
結果: