カメムシ類の卵から羽化する寄生蜂

ほとんどのカメムシ類には卵寄生蜂が寄生します。調査が行われたものはごく限られていますが、一次寄生蜂としてはトビコバチ類、タマゴクロバチ類、二次寄生蜂としてコガネコバチ類が羽化することがあります。現在までに知られているカメムシの卵に関係のある寄生蜂は次のようなものです
カメムシ類の卵を採集して寄生蜂の羽化を待ちそれを簡単に同定するための検索図を作ってみました。
第1に注目するのは産卵管(産卵管鞘)です。外部から見えればトビコバチ・コガネコバチ類です。(雄は産卵管がないので触角に毛があるかどうかを観察します。あれば雄です。トビコバチとコガネコバチの区別は翅の脈に注目します。前縁脈が点状で短ければトビコバチ類、前縁脈が長ければコガネコバチです。
産卵管が見えない場合はタマゴクロバチ類なので、第2腹背板の長さを他の腹背板と比べます。最も長ければTelenominae亜科でTrissolucus Telenomusu属等を含みます。第2腹背板の長さが最長でなければScelinoninae亜科でGryonn属の可能性が強くなります。
Trissolucus属とTelenomusu属の違いは顔面を見ます。頭頂の個眼と触角のそ挿入部(ソッケト)との間にしわや模様等が見られればTrissolucus、平滑で光沢があればTelenomusuです。
種名については専門家の判定を待ちます